三島由紀夫の名言(5)
好奇心には道徳がないのである。
もしかするとそれは人間のもちうるもつとも不徳な欲望かもしれない。
三千人と恋愛をした人が、一人と恋愛をした人に比べて、より多くについて知っているとはいえないのが、人生の面白味です。
自分を理解しない人間を寄せつけないのは、芸術家として正しい態度である。
芸術家は政治家じゃないのだから。
女の部屋は一度ノックすべきである。
しかし二度ノックすべきじゃない。
そうするくらいなら、むしろノックせずに、いきなりドアをあけたはうが上策なのである。
小説家にとっては今日書く一行が、テメエの全身的表現だ。
明日の朝、自分は死ぬかもしれない。
その覚悟なくして、どうして今日書く一行に力がこもるかね。
その一行に、自分の中の集合的無意識に連綿と続いてきた“文化”が、体を通して現れ、定着する。
その一行に自分が“成就”する。
それが“創造”というものの、本当の意味だよ。
未来のための創造なんて、絶対に嘘だ。
人間を一番残酷にするのは 愛されているという自信だよ。
生まれて来て何を最初に教わるって、それは「諦める」ことよ。
精神分析を待つまでもなく、人間のつく嘘のうちで、「一度も嘘をついたことがない」といふのは、おそらく最大の嘘である。
男と女の一等厄介なちがいは、男にとっては精神と肉体がはっきり区別して意識されているのに、女にとっては精神と肉体がどこまで行ってもまざり合っていることである。
男性操縦の最高の秘訣は、男のセンチメンタリズムをギュッとにぎることだ。
美しい若い女が、大金持の老人の恋人になっているとき、人は打算的な愛だと推測したがるが、それはまちがっている。
打算をとおしてさえ、愛の専門家は愛を紡ぎ出すことができるのだ。
無神論も、徹底すれば徹底するほど、唯一神信仰の裏返しにすぎぬ。
無気力も、徹底すれば徹底するほど、情熱の裏返しにすぎぬ。
力を持たない知性なんて、屁の役にも立たない。
あらゆる文章は形容詞から古くなっていく。
おわりです。
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