吉川英治の名言には「禍はいつも幸福の仮面をかぶって待っている」、「いいじゃないか、5年道草をくったら、5年遅く生まれて来たと思うのだ」などがあります。
代表作は『宮本武蔵』『新・平家物語』『三国志』など。幅広い読者層を獲得し「国民文学作家」とも称される吉川英治(1892~1962)の名言をご紹介します。
吉川英治の生涯
氏名 | 吉川英治 |
生年月日 | 1892年8月11日 |
没年月日 | 1962年9月7日 |
享年 | 70(歳) |
国籍 | 日本 |
出生地 | 神奈川県久良岐郡中村根岸(現在の横浜市中区山元町) |
職業 | 小説家 |
名言 | いいじゃないか、5年道草をくったら、5年遅く生まれて来たと思うのだ。 |
1892年(明治25年)8月11日、現在の横浜市中区山元町において旧小田原藩士の次男として生まれる。本名は吉川英次(よしかわひでつぐ)。
1898年、英治は山内尋常高等小学校に入学。騎手の馬屋が近くにあり、将来は騎手になることを考えていた。
英治は10歳のころになると雑誌に投稿するようになり、時事新報社の『少年』誌に作文が入選。しかし父との確執もあり小学校を中退。英治は職業を転々としつつ独学した。
17歳のときには年齢を偽って横浜ドックの船具工になるも作業中に墜落して重傷を負う。
その後上京して象眼職人の下で働く。また川柳の世界に入り作品を発表。
1921年、29歳のときに小説3編が講談社の懸賞小説に入選。同年、東京毎夕新聞社に入社。文才を認められ『親鸞記』などを執筆。
1923年、30歳のときに人気芸妓だった赤沢やすと結婚。関東大震災により東京毎夕新聞社が解散すると、文学で生計を立てることを決意。
1925年に創刊された『キング』誌に連載し、「剣難女難」で人気を得る。
その後、執筆の依頼は増え、巨額な印税が入るも妻やすは急激な変化についていけず、次第にヒステリーになっていった。
1935年に連載を開始した『宮本武蔵』は新聞小説史上かつてない人気を得る。
1937年、45歳の英治はやすと離婚、料理屋で働いていた16歳の池戸文子と再婚する。
敗戦後はその衝撃から筆を執る事ができなくなるも1947年から執筆を再開。
1950年、敗れた平家と日本を重ねた『新・平家物語』の連載を開始。この作品で第1回菊池寛賞を受賞した。
1960年、68歳の英治は文化勲章を受章。
1962年9月7日、吉川英治は肺癌のため国立がん研究センター中央病院で死去。70年の生涯を閉じた。
Wikipedia(日本語) / Wikipedia(英語)
吉川英治の名言・格言集
吉川英治の名言メニュー
吉川英治の名言(1)
およそ「自分ほど苦労した者はありません」などと自ら云える人の苦労と称するものなどは、十中の十までが、ほんとの苦労であったためしはない。
いいじゃないか、5年道草をくったら、5年遅く生まれて来たと思うのだ。
楽しまずして何の人生ぞや。
晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。
楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ。
戒めなければならないのは味方同士の猜疑である。
味方の中に知らず知らず敵を作ってしまう心なき業である。
禍はいつも幸福の仮面をかぶって待っている。
近頃の人は、怒らぬことをもって知識人であるとしたり、人格の奥行きと見せかけたりしているが、そんな老成ぶった振る舞いを若い奴らが真似するに至っては言語道断じゃ。
若い者は、怒らにゃいかん。
もっと怒れ、もっと怒れ。
勝つは負ける日の初め、負けるはやがて勝つ日の初め。
人と人との応接は、要するに鏡のようなものである。
驕慢は驕慢を映し、謙遜は謙遜を映す。
人の無礼に怒るのは、自分の反映へ怒っているようなものといえよう。
人間とは一日中に何百遍も菩薩となり悪魔となり、たえまなく変化している。
登山の目標は山頂と決まっている。
しかし、人生の面白さはその山頂にはなく、かえって逆境の、山の中腹にある。
行き詰まりは展開の一歩である。
生きていること、それはすでに、世間の恩であった。
あれになろう、これになろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。
世間に媚びずに世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる。
無心さ、純粋さ、素直さなどは人の心を打つ。
その力は、こざかしい知恵をはるかに凌駕する。
次ページへ続きます。
【おすすめ名言集】
「偉人の名言365選」/「英語の名言222選」/「人生がつまらない」/「努力できない」
【テーマ別の名言】
人生の名言 / 元気がでる名言 / 努力の名言 / 癒しの名言 / 仕事の名言 / 人間関係の名言 / 夢・志の名言 / 恋愛・男女関係の名言 / 失恋の名言 / 結婚の名言 / 女性の名言 / 孤独の名言 / 時間の名言 / 勉強・受験の名言 / 心に響く名言 / 感動する名言 / かっこいい名言 / 短い名言 / お金の名言 / おもしろい名言
【英語の名言】
英語の名言【短文】 / 英語の名言【人生】 / 英語の名言【恋愛】 / 英語の名言【元気】 / 英語の名言【仕事】 / 英語の名言【努力】 / 英語の名言【カッコイイ】 / 英語の名言【おもしろい】 / 英語の名言【友情・人間関係】
【ことわざ・格言】
人生のことわざ / 恋愛・結婚のことわざ / 元気・努力のことわざ / 友情・人間関係のことわざ / 英語のことわざ
【文学家】
シェイクスピア(英語の名言) / ゲーテ(英語の名言) / 武者小路実篤 / 相田みつを / 瀬戸内寂聴 / 村上春樹 / 太宰治 / オスカー・ワイルド(英語の名言) / マーク・トウェイン(英語の名言) / ヘミングウェイ(英語の名言) / トルストイ(英語の名言) / 夏目漱石 / 芥川龍之介 / バーナード・ショー(英語の名言) / ドストエフスキー(英語の名言) / サン=テグジュペリ(英語の名言) / レイモンド・チャンドラー(英語の名言) / カフカ(英語の名言) / アガサ・クリスティ(英語の名言) / ヴィクトル・ユーゴー(英語の名言) / アルベール・カミュ(英語の名言) / スコット・フィッツジェラルド(英語の名言) / 魯迅 / マヤ・アンジェロウ(英語の名言) / ダンテ(英語の名言) / 吉川英治 / ヘルマン・ヘッセ(英語の名言) / チャールズ・ディケンズ(英語の名言) / ルイス・キャロル(英語の名言) / ジョージ・エリオット(英語の名言) / ツルゲーネフ(英語の名言) / バルザック(英語の名言) / セルバンテス(英語の名言) / 三島由紀夫
【芸術・ファッション・芸能・音楽家】
岡本太郎 / ココ・シャネル(英語の名言) / オードリー・ヘップバーン(英語の名言) / ウォルト・ディズニー(英語の名言) / 美輪明宏 / 矢沢永吉 / マリリン・モンロー(英語の名言) / チャップリン(英語の名言) / 手塚治虫 / ジョン・レノン(英語の名言) / パブロ・ピカソ(英語の名言) / ベートーヴェン(英語の名言) / ゴッホ(英語の名言) / レオナルド・ダ・ヴィンチ(英語の名言) / ボブ・マーリー(英語の名言) / オプラ・ウィンフリー(英語の名言) / マイケル・ジャクソン(英語の名言) / ウディ・アレン(英語の名言) / ボブ・ディラン(英語の名言) / アンディ・ウォーホル(英語の名言) / ミケランジェロ(英語の名言) / モーツァルト(英語の名言) / ジェームズ・ディーン(英語の名言) / ブルース・リー(英語の名言) / ロダン(英語の名言) / マイルス・デイヴィス(英語の名言) / スティーヴン・スピルバーグ(英語の名言) / エルヴィス・プレスリー(英語の名言) / フランク・シナトラ(英語の名言)
【政治家・指導者】
ガンジー(英語の名言) / キング牧師(英語の名言) / リンカーン(英語の名言) / チャーチル(英語の名言) / ベンジャミン・フランクリン(英語の名言) / ジョン・F・ケネディ(英語の名言) / ネルソン・マンデラ(英語の名言) / マーガレット・サッチャー(英語の名言) / マルコムX(英語の名言) / ジョージ・ワシントン(英語の名言) / シャルル・ド・ゴール(英語の名言) / 田中角栄 / 上杉鷹山 / チェ・ゲバラ(英語の名言) / セオドア・ルーズベルト(英語の名言)
【教育家・活動家】
ヘレン・ケラー(英語の名言) / 福沢諭吉 / ナイチンゲール(英語の名言) / エレノア・ルーズベルト(英語の名言) / 津田梅子
【学者・発明家】
アインシュタイン(英語の名言) / 斎藤茂太 / ピーター・ドラッカー(英語の名言) / エジソン(英語の名言) / ソクラテス(英語の名言) / ニーチェ(英語の名言) / ダーウィン(英語の名言) / 孔子(英語の名言) / ルソー(英語の名言) / ガリレオ・ガリレイ(英語の名言) / ニュートン(英語の名言) / アリストテレス(英語の名言) / プラトン(英語の名言) / エマーソン(英語の名言) / 野口英世 / ジークムント・フロイト(英語の名言) / パスカル(英語の名言) / 老子 / 荘子 / カント(英語の名言) / モンテスキュー(英語の名言) / 湯川秀樹 / サルトル(英語の名言) / エーリッヒ・フロム(英語の名言) / デカルト(英語の名言) / ジョン・ロック(英語の名言) / ショーペンハウアー(英語の名言) / ヴォルテール(英語の名言) / モンテーニュ(英語の名言) / マキャベリ(英語の名言) / キルケゴール(英語の名言) / ニコラ・テスラ(英語の名言) / 牧野富太郎
【宗教家】
マザー・テレサ(英語の名言) / マルティン・ルター(英語の名言)
【ビジネスパーソン】
松下幸之助 / スティーブ・ジョブズ(英語の名言) / デール・カーネギー(英語の名言) / 本田宗一郎 / ヘンリー・フォード(英語の名言) / 渋沢栄一 / ビル・ゲイツ(英語の名言) / アンドリュー・カーネギー(英語の名言)
【スポーツ・格闘技選手】
イチロー / 松岡修造 / 本田圭佑 / アントニオ猪木 / マイケル・ジョーダン(英語の名言) / 野村克也 / 落合博満 / 長嶋茂雄 / 王貞治 / モハメド・アリ(英語の名言) / ペレ(英語の名言) / コービー・ブライアント(英語の名言) / リオネル・メッシ(英語の名言)
【幕末・明治維新】
坂本龍馬 / 吉田松陰 / 高杉晋作 / 勝海舟 / 西郷隆盛 / 大久保利通 / 島津斉彬 / 岩崎弥太郎 / 伊藤博文 / 山岡鉄舟
【武将・軍人】
織田信長 / 武田信玄 / 徳川家康 / 豊臣秀吉 / ナポレオン(英語の名言) / 宮本武蔵 / ユリウス・カエサル(英語の名言) / 上杉謙信 / 伊達政宗 / 諸葛孔明 / 明智光秀 / 山本五十六
【その他】
アンネ・フランク(英語の名言) / 中村天風 / 升田幸三 / 羽生善治 / ジョセフ・マーフィー / ダイアナ妃(英語の名言) / マリー・アントワネット(英語の名言) / ニール・アームストロング(英語の名言)
|
|
吉川英治の本・関連書籍
『宮本武蔵(1)』
(吉川英治)
屍ひしめく関ケ原で命からがら落ち延びた武蔵と又八。お甲・朱実母娘の世話になり一年後、武蔵はひとり故郷に戻るが、その身を追われ…。憎しみに任せ、次から次へと敵を打ち殺す野獣武蔵に対峙する、沢庵。殺めるためではなく護るための剣とは? 一介の武弁が二天一流の開祖宮本武蔵に至るまで志を磨く道、ここに始まる。
『新・平家物語(1)』
(吉川英治)
12世紀の初め、藤原政権の退廃は、武門の両統 “源平” の台頭をもたらした。しかし、強者は倶に天を戴かず。その争覇興亡が古典平家の世界である。「新・平家物語」も源平抗争の歴史を描くが、単なる現代訳でなく、古典のふくらんだ虚像を正し、従来無視された庶民の相にも力点を置く。――100年の人間世界の興亡、流転、愛憎を主題に、7年の歳月を傾けた、著者鏤骨の超大作。
『三国志(1)』
(吉川英治)
日本では卑弥呼が邪馬台国を統治する頃、中国は後漢も霊帝の代、政治の腐爛は黄巾賊を各地にはびこらせ、民衆は喘ぎ苦しむ。このとき楼桑村の一青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園に義盟を結び、害賊を討ち、世を救わんことを誓う。――以来100年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマ。その華麗な調べと哀婉の情は、吉川文学随一と定評のあるところである。
吉川英治の名言・言葉の一覧
No. | 吉川英治の名言一覧 |
---|---|
1 | およそ「自分ほど苦労した者はありません」などと自ら云える人の苦労と称するものなどは、十中の十までが、ほんとの苦労であったためしはない。 |
2 | いいじゃないか、5年道草をくったら、5年遅く生まれて来たと思うのだ。 |
3 | 楽しまずして何の人生ぞや。 |
4 | 晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ。 |
5 | 戒めなければならないのは味方同士の猜疑である。味方の中に知らず知らず敵を作ってしまう心なき業である。 |
6 | 禍はいつも幸福の仮面をかぶって待っている。 |
7 | 近頃の人は、怒らぬことをもって知識人であるとしたり、人格の奥行きと見せかけたりしているが、そんな老成ぶった振る舞いを若い奴らが真似するに至っては言語道断じゃ。若い者は、怒らにゃいかん。もっと怒れ、もっと怒れ。 |
8 | 勝つは負ける日の初め、負けるはやがて勝つ日の初め。 |
9 | 人と人との応接は、要するに鏡のようなものである。驕慢は驕慢を映し、謙遜は謙遜を映す。人の無礼に怒るのは、自分の反映へ怒っているようなものといえよう。 |
10 | 人間とは一日中に何百遍も菩薩となり悪魔となり、たえまなく変化している。 |
11 | 登山の目標は山頂と決まっている。しかし、人生の面白さはその山頂にはなく、かえって逆境の、山の中腹にある。 |
12 | 行き詰まりは展開の一歩である。 |
13 | 生きていること、それはすでに、世間の恩であった。 |
14 | あれになろう、これになろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間に媚びずに世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる。 |
15 | 無心さ、純粋さ、素直さなどは人の心を打つ。その力は、こざかしい知恵をはるかに凌駕する。 |
16 | 今日、民衆の中に何が一番欠けているか。自分を信じ、人を信じ、自分の仕事を信じ、自分の今日の生活を信じていくというような信念が非常に弱いと思う。 |
17 | 笑う世間の方がおかしい。 |
18 | 真に生命を愛する者こそ、真の勇者である。 |
19 | たとえ、いかなる逆境、悲運にあおうとも、希望だけは失ってはならぬ。「朝の来ない夜はない」のだから。 |
20 | 職業に貴賎はない。どんな職業に従事していてもその職業になり切っている人は美しい。 |
21 | いくら年をとり、知識を積んでも、人間には、人間本来の迷いの火ダネが、白骨になるまでは、なくならないものらしい。 |
22 | 無智はいつでも、有智よりも優越する。 |
23 | あたたかい心で人のなかに住め。人のあたたかさは、自分の心があたたかでいなければ分かる筈もない。 |
24 | 酒を飲むと、修業の妨げになる。酒を飲むと、常の修養が乱れる。酒を飲むと、意思が弱くなる。酒を飲むと、立身がおぼつかない。――などと考えてござるなら、お前さんは大したものになれない。 |
25 | ひとの生命を愛せない者に、自分の生命を愛せるわけはない。 |
26 | 転機は、運命と自己との飽和された合作でなければならない。転機はいつも、より生きんとする、若い希望の前にのみある。 |
27 | どの青年もおしなべて情熱との戦いを繰り返しながら成長して行くのに、君は不幸だ。早くから美しいものを見すぎ、美味しいものを食べすぎているということは、こんな不幸はない。喜びを喜びとして感じる感受性が薄れていくということは、青年として気の毒なことだ。 |
28 | 自分といえる自分などが、どこにあろう。ないはずのものを、あなたは、つかもうとしておいでられる。 |