升田幸三の名言には「一人前になるには50年はかかるんだ。功を焦るな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く張れ」、「たどり来て、未だ山麓」などがあります。
「名人に香車を引いて勝つ」を実現した升田幸三(1918~1991)の名言をご紹介します。
升田幸三の生涯
氏名 | 升田幸三 |
生年月日 | 1918年3月21日 |
没年月日 | 1991年4月5日 |
享年 | 73(歳) |
国籍 | 日本 |
出生地 | 広島県双三郡三良坂町(現在の三次市) |
職業 | 将棋棋士 |
名言 | 一人前になるには50年はかかるんだ。功を焦るな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く張れ。 |
1918年3月21日、現在の広島県三次市に生まれる。
13歳のときに日本一の将棋指しを目指して家出。その際、母の物差しの裏に「この幸三、名人に香車を引いて(香落ちのハンデキャップで)勝ったら大阪に行く」と書き残す。
その後、大阪の木見金治郎八段の門下生となる。同門の後輩には終生のライバル大山康晴(十五世名人)がいた。初段(プロ)になるまでが長かったが、その後は頭角を現す。
戦争を挟んで木村義雄(十四世名人)と死闘を演じ、木村義雄の引退後は大山康晴と覇を競った。
1957年、将棋史上初の三冠(名人・王将・九段)制覇を成し遂げた時、「たどり来て、未だ山麓」の言葉を残す。
升田幸三は魅せる将棋を大切にし、既成の定跡にとらわれず数々の新手を指し、「将棋というゲームに寿命があるなら、その寿命を300年縮めた男」と評された。
大きな功績を残したが、戦争中に患った病気がもとで体調を崩し、晩年は休場の年も多かった。
タイトルなどの実績面では大山康晴に押され、永世名人などの称号は得られず、1979年に引退。しかし将棋連盟は新たな称号をつくり、実力制第四代名人の称号を贈った。
升田幸三の棋風を慕う棋士は多く、羽生善治も将棋を指したい人は誰かと言う問いに「升田先生」と述べている。
なお、1956年、大山名人(当時)との王将戦で、名人を香落ちに指し込み、勝利。家出の際の「名人に香車を引いて勝つ」を実現した。後にも先にも名人を相手に香車を引いて対局をしたのは升田幸三ただ一人であり、名人に香車を引いて勝ったのも升田幸三のみである。
1991年4月5日、升田幸三は73年の生涯を閉じた。
Wikipedia(日本語) / Wikipedia(英語)
升田幸三の名言・格言集
升田幸三の名言(1)
人生は将棋と同じで、読みの深い者が勝つ。
全局のことでも、また局部、局部のことでも、その一手の差を慎重に、そして最善をつくす人が、「勝ち」にゆくわけで、一手ぐらいなどといって、気楽にしとるやつが、結局は敗北につながる。
イチかバチかのやけっぱちみたいなことをやるのを、勝負師という人があるが、これは間違いです。
そういうのは勝負師とはいわない、賭博師という。
棋士は無くてもいい商売だ。
だからプロはファンにとって面白い将棋を指す義務がある。
人はだれでも特異な存在であり、無から有を創り出す力を授かっている。
時代は変わっても、人間を磨くのは目的に挑戦する苦労だということは変わりません。
いまの人も苦労はしてるが、それは物欲を満たす苦労で、自分独特、独創の苦労ではない。
どんな世界でも同じだと思う。
プロとアマの違いはアマは真似でも通用するが、プロの道は独創。
またそうでなきゃ通用しない。
だから苦しいが喜びも計り知れない。
一人前になるには50年はかかるんだ。
功を焦るな。
悲観するな。
もっと根を深く張るんだ。
根を深く張れ。
『名言の心』(エッセイ)
根を深く張れ!好きなことは求めていること
錯覚いけない、よく見るよろし。
一心になれる人というのは、自分の人生を完成しますな。
世にいう成功者の秘訣というのは、これじゃないかと思う。
大切なのは創造です。
人真似を脱し、新しいものをつくり出すところに、進歩が生まれる。
アマチュアは駒を動かしただけなんです。
「指した」ということとは別のことですよ。
せんじつめていえば、そのもっている欠点を長所にする。
これがプロの芸ということになるわけです。
やっぱり狙いをつけた一心さ、ですね。
そういうときは、かりに失敗しても、非常にいい経験というか、つぎの知恵になります。
踏まれても叩かれても、努力さえしつづけていれば、必ずいつかは実を結ぶ。
男は毬であってはならぬ。
ちょっと頭をなぜられてはポンとはずみ、指一本触れただけで転がる。
はずみそうではずまず、転びそうで踏みとどまるものを持っていなければ男ではない。
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升田幸三 おすすめ書籍
『名人に香車を引いた男―升田幸三自伝』(升田幸三)
「名人に香車を引いて勝つ」と物差しの裏に書き遺して家を出た少年期、広島での放浪生活、大阪の木見八段への入門、終生のライバル大山康晴との出会い、阪田三吉の思い出、宿敵・木村名人との激戦、「陣屋事件」の真相、そして悲願の成就。不世出の将棋名人が自ら語る、波瀾万丈の半生記。
『勝負』(升田幸三)
人生は将棋に似ている―。名人に香車を引いて勝つという伝説を作り、同門の大山康晴と熾烈な戦いを演じた不世出の名人・升田幸三が、人事百般について不羈奔放に語り下ろした随筆集。人間味豊かな語り口の中にあらわれる珠玉の言葉のひとつひとつは、世代を越え、深く感銘を与えずにはいない。
『好妻好局 – 夫・升田幸三との40年』(升田静尾、藤田健二)
不世出の天才棋士・升田幸三が、ある著書にこう記している。『女房たるものは妻であると同時に、やさしい母親、可愛い妹、健康管理ができる栄養士や看護婦役もこなすことができなければならない。幸いなことに恐妻家の私には過ぎた女房がいて…』。本書は、その「過ぎた女房」こと、静尾夫人が四〇年にわたる“内助の功”を語り尽くしたものである。勝負師としての厳しさ、家庭で見せる子煩悩な父親の姿、亭主関白と背中合わせのやさしい心遣い、また、梅原龍三郎、吉川英治氏をはじめとする各界著名人との交遊などにも人間・升田幸三の魅力があふれている。
升田幸三の名言・言葉の一覧
No. | 升田幸三の名言一覧 |
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1 | 人生は将棋と同じで、読みの深い者が勝つ。 |
2 | 全局のことでも、また局部、局部のことでも、その一手の差を慎重に、そして最善をつくす人が、「勝ち」にゆくわけで、一手ぐらいなどといって、気楽にしとるやつが、結局は敗北につながる。 |
3 | イチかバチかのやけっぱちみたいなことをやるのを、勝負師という人があるが、これは間違いです。そういうのは勝負師とはいわない、賭博師という。 |
4 | 棋士は無くてもいい商売だ。だからプロはファンにとって面白い将棋を指す義務がある。 |
5 | 人はだれでも特異な存在であり、無から有を創り出す力を授かっている。 |
6 | 時代は変わっても、人間を磨くのは目的に挑戦する苦労だということは変わりません。いまの人も苦労はしてるが、それは物欲を満たす苦労で、自分独特、独創の苦労ではない。どんな世界でも同じだと思う。プロとアマの違いはアマは真似でも通用するが、プロの道は独創。またそうでなきゃ通用しない。だから苦しいが喜びも計り知れない。 |
7 | 一人前になるには50年はかかるんだ。功を焦るな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く張れ。 |
8 | 錯覚いけない、よく見るよろし。 |
9 | 一心になれる人というのは、自分の人生を完成しますな。世にいう成功者の秘訣というのは、これじゃないかと思う。 |
10 | 大切なのは創造です。人真似を脱し、新しいものをつくり出すところに、進歩が生まれる。 |
11 | アマチュアは駒を動かしただけなんです。「指した」ということとは別のことですよ。 |
12 | せんじつめていえば、そのもっている欠点を長所にする。これがプロの芸ということになるわけです。 |
13 | やっぱり狙いをつけた一心さ、ですね。そういうときは、かりに失敗しても、非常にいい経験というか、つぎの知恵になります。 |
14 | 踏まれても叩かれても、努力さえしつづけていれば、必ずいつかは実を結ぶ。 |
15 | 男は毬であってはならぬ。ちょっと頭をなぜられてはポンとはずみ、指一本触れただけで転がる。はずみそうではずまず、転びそうで踏みとどまるものを持っていなければ男ではない。 |
16 | 僕には不利だ、不可能だといわれるものに挑戦する性癖がある。全部が全部成功するわけではないけれど、それが新型になり、新手を生み、つまり将棋の進歩に繋がる。他の人は安全に先を考えるから先輩の模倣を選ぶ。 |
17 | 私は将棋は創作だと考えている。何はともあれ、一歩先に出た方が勝つ。もし一局ごとに新手を出す棋士があれば、彼は不敗の名人になれる。その差はたとえ1秒の何分の一でもいい。専門家というものは、日夜新しい手段を発見するまでに苦しまねばならぬ。 |
18 | 着眼大局 着手小局 ※ 好んで書いた言葉 |
19 | 勝負は、その勝負の前についている。 |
20 | 歩は素晴らしいものだよ。敵の陣地に行けば金になるけど相手に取られると歩に戻る。こんな合理的ないいものはない。これをうまく使えるやつが名人だ。 |
21 | たどり来て、未だ山麓。 |
22 | まぁ生まれ直す事があったらね、2つから3つぐらいまでに将棋を覚えて、もういっぺんやり直してみたいと。今度は丈夫な体でね、名人を角落ちぐらいでね、からかってみるのも面白いと、こう思う。 |
23 | おれがにらめば、横には動けぬ銀でも横に動くのだ。 |