渋沢栄一の名言・格言




渋沢栄一の名言・格言

渋沢栄一の名言には「もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である」、「一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である」などがあります。
多種多様な企業の設立・経営に関わり、日本資本主義の父と称される渋沢栄一(1840~1931)の名言をご紹介します。

渋沢栄一の生涯

氏名 渋沢栄一
生年月日 1840年3月16日
没年月日 1931年11月11日
享年 91(歳)
国籍 日本
出生地 武蔵国榛沢郡血洗島村(現在の埼玉県深谷市血洗島)
職業 幕臣、官僚、実業家、教育者
名言 人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。

1840年3月16日、武蔵国榛沢郡(埼玉県深谷市)の渋沢家に長男として生まれる。渋沢家は、藍玉(染料)の製造販売や養蚕、米、麦、野菜の生産も手がける豪農。

14歳から単身で藍葉の仕入れにも出かけるようになり、この時の経験が後にヨーロッパの経済システムを吸収しやすくする素地を作り出した。

1858年、19歳で結婚。1861年に江戸に出て儒学者、海保漁村の門下生となる。また、北辰一刀流、千葉栄次郎の道場に入門。剣術修行のかたわら勤皇志士と交友を結ぶ。

やがて尊皇攘夷の思想に目覚め、1863年、高崎城を乗っ取って武器を奪い、横浜を焼き討ちにしたのち長州と連携して幕府を倒すという計画をたてる。しかし、親族の説得により中止。

その後、京都に上るが、1863年に長州藩ら勤皇派が京都から追放されたことにより志士活動に行き詰まり、江戸遊学時代に交際のあった一橋家家臣の推挙により一橋慶喜に仕えることになる。

1867年、慶喜が将軍となったのに伴い幕臣となり、パリ万国博覧会に出席する慶喜の弟の随員としてフランスへ渡航。パリ万博のほか、ヨーロッパ各国を訪問し、先進的な産業・軍備を視察。将校と商人が対等に交わる社会を見て感銘を受ける。

1867年11月、徳川慶喜は大政奉還を建白。新政府から帰国を命じられ、1868年12月に帰国。静岡に謹慎していた慶喜と面会し、慶喜より「これからはお前の道を行きなさい」との言葉を拝受。

明治2年(1869年)、フランスで学んだ株式会社制度を実践するため、静岡に商法会所を設立。しかし、大隈重信に説得され、同年大蔵省に入省する。

大蔵官僚として、度量衡の制定や国立銀行条例制定に携わる。しかし予算編成を巡って、大久保利通や大隈重信と対立し、1873年に井上馨と共に退官。

退官後、官僚時代に設立を指導していた第一国立銀行(第一銀行、第一勧業銀行を経て、みずほ銀行)の頭取に就任する。

以後、東京海上火災保険、王子製紙、東急電鉄、秩父セメント、帝国ホテル、東京証券取引所、キリンビール、東洋紡績など、多種多様の企業の設立に関わり、その数は500以上といわれている。

しかし他の財閥創始者と異なる点は、渋沢財閥を作らなかったこと。「私利を追わず公益を図る」との考えを生涯に亘って貫き通し、後継者にもこれを固く戒めた。

社会活動に熱心で養育院の院長を務めたほか、東京慈恵会、日本赤十字社などの設立にも携わった。

商業教育にも力を入れ、一橋大学、東京経済大学の設立に協力したほか、女子の教育の必要性を考え、伊藤博文勝海舟らと女子教育奨励会を設立。日本女子大学、東京女学館の設立に携わった。

1931年11月11日、渋沢栄一は91年の生涯を閉じた。

現代経営学の発明者と称されるピーター・ドラッカーは渋沢について、「率直にいって私は、経営の『社会的責任』について論じた歴史的人物の中で、かの偉大な明治を築いた偉大な人物の一人である渋沢栄一の右に出るものを知らない。彼は世界のだれよりも早く、経営の本質は『責任』にほかならないということを見抜いていたのである」と述べている。

Wikipedia(日本語) / Wikipedia(英語)


渋沢栄一の名言・格言集


渋沢栄一の名言(1)


もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。

- 渋沢栄一 -


人は全て自主独立すべきものである。
自立の精神は人への思いやりと共に人生の根本を成すものである。

- 渋沢栄一 -


商売をする上で重要なのは、競争しながらでも道徳を守るということだ。

- 渋沢栄一 -


全て形式に流れると精神が乏しくなる。
何でも日々新たにという心がけが大事である。

- 渋沢栄一 -


どんなに勉強し、勤勉であっても、上手くいかないこともある。
これは機がまだ熟していないからであるから、ますます自らを鼓舞して耐えなければならない。

- 渋沢栄一 -


ただそれを知っただけでは上手くいかない。
好きになればその道に向かって進む。
もしそれを心から楽しむことが出来れば、いかなる困難にもくじけることなく進むことができるのだ。

- 渋沢栄一 -


できるだけ多くの人に、できるだけ多くの幸福を与えるように行動するのが、我々の義務である。

- 渋沢栄一 -


信用はそれが大きければ大きいほど、大いなる資本を活用することができる。
世に立ち、大いに活動せんとする人は、資本を造るよりも、まず信用の厚い人たるべく心掛けなくてはならない。

- 渋沢栄一 -


そもそも多能は聖人の本色ではないとしても、多能なるくらいの種々の経験ある人にあらざれば真正の聖人となり得ざるべし。

- 渋沢栄一 -


一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である。

- 渋沢栄一 -


人は死ぬまで同じ事をするものではない。
理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。

- 渋沢栄一 -


事業には信用が第一である。
世間の信用を得るには、世間を信用することだ。
個人も同じである。
自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。

- 渋沢栄一 -


たとえその事業が微々たるものであろうと、自分の利益は少額であろうと、国家必要の事業を合理的に経営すれば、心は常に楽しんで仕事にあたることができる。

- 渋沢栄一 -


一家一人の為に発する怒りは小なる怒りにて、一国の為に発する怒りは大いなる怒りである。
大いなる怒りは、国家社会の進歩発展を促す。

- 渋沢栄一 -


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渋沢栄一の本・関連書籍


『現代語訳 論語と算盤』
(渋沢栄一)

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日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、約四百七十社もの会社設立を成功させた彼の言葉は、指針の失われた現代にこそ響く。経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。


『渋沢栄一 100の訓言』
(渋澤健)

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「満足は衰退の第一歩である」「『他人をも利すること』を考えよう」「緻密すぎる教育は、鉢植えの木のような人を増やす」。500社以上の会社を興した偉才の実業家・渋沢栄一。ドラッカーにも影響を与えた「日本資本主義の父」が残した黄金の知恵を、5代目子孫がいま鮮やかに蘇らせる。


『渋沢栄一〈1〉算盤篇』
(鹿島茂)

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豪農の家に生まれた渋沢栄一は、一橋(徳川)慶喜に仕え武士となり、慶喜の弟・徳川昭武とパリ万博への参加を命じられる。そしてパリの地で「資本主義のシステム」の本質を見抜く。幕府が崩壊したためやむなく帰国、不本意ながら仕えることになった新政府で、「円」の導入など金融政策に次々関与する。明治六年、本当の国力をつけるためには民間の力が必要だと考えた渋沢は、大蔵省を辞め、「民」を育成するための生涯を送ることになる。

渋沢栄一の書籍一覧(Amazon)



渋沢栄一の名言・言葉の一覧

No. 渋沢栄一の名言一覧
1 もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。
2 人は全て自主独立すべきものである。自立の精神は人への思いやりと共に人生の根本を成すものである。
3 商売をする上で重要なのは、競争しながらでも道徳を守るということだ。
4 全て形式に流れると精神が乏しくなる。何でも日々新たにという心がけが大事である。
5 どんなに勉強し、勤勉であっても、上手くいかないこともある。これは機がまだ熟していないからであるから、ますます自らを鼓舞して耐えなければならない。
6 ただそれを知っただけでは上手くいかない。好きになればその道に向かって進む。もしそれを心から楽しむことが出来れば、いかなる困難にもくじけることなく進むことができるのだ。
7 できるだけ多くの人に、できるだけ多くの幸福を与えるように行動するのが、我々の義務である。
8 信用はそれが大きければ大きいほど、大いなる資本を活用することができる。世に立ち、大いに活動せんとする人は、資本を造るよりも、まず信用の厚い人たるべく心掛けなくてはならない。
9 そもそも多能は聖人の本色ではないとしても、多能なるくらいの種々の経験ある人にあらざれば真正の聖人となり得ざるべし。
10 一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である。
11 人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。
12 事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
13 たとえその事業が微々たるものであろうと、自分の利益は少額であろうと、国家必要の事業を合理的に経営すれば、心は常に楽しんで仕事にあたることができる。
14 一家一人の為に発する怒りは小なる怒りにて、一国の為に発する怒りは大いなる怒りである。大いなる怒りは、国家社会の進歩発展を促す。
15 自分が信じないことは言わず、知ったからには必ず行うという思いが強くなれば、自然に言葉は少なく、行動は素早くなる。
16 交際の奥の手は至誠である。理にかない調和がとれていればひとりでにうまくいく。
17 人生の行路は様々で、時に善人が悪人に敗けたごとく見えることもあるが、長い間の善悪の差別は確然とつくものである。悪いことの習慣を多く持つものは悪人となり、良いことの習慣を多くつけている人は善人となる。
18 金儲けを品の悪いことのように考えるのは、根本的に間違っている。しかし儲けることに熱中しすぎると、品が悪くなるのもたしかである。金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。
19 お前は自分の立場に忠実なのは結構だが、同時に恕、つまり相方の立場も理解してやるという広い気持ちを持たねば、世の中に円満に処していくことはできない。
20 大なる欲望をもって利殖を図ることに充分でないものは決して進むべきではない。空論に走り、うわべだけを飾る国民は決して真理の発達をなすものではない。
21 心を穏やかにさせるには思いやりを持つことが大事である。一切の私心をはさまずに物事にあたり、人に接するならば、心は穏やかで余裕を持つことができるのだ。
22 大なる立志と小さい立志と矛盾するようなことがあってはならぬ。
23 男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ。
24 ことに望んで感激すれば、おのずからやる気が出て奮い立つのだ。
25 死ぬときに残す教訓が大事なのではなく、生きている時の行動が大事なのだ。
26 信用はのれんや見た目から得られるものではなく、確固たる信念から生まれる。
27 真似をするときには、その形ではなく、その心を真似するのがよい。
28 人を選ぶとき、家族を大切にしている人は間違いない。仁者に敵なし。私は人を使うときには、知恵の多い人より人情に厚い人を選んで採用している。
29 道は誰でも行うことができる。人はみな道を行うだけの力がある。ただその道と力との大きさに差があるだけである。
30 富者をうらやんでこれを嫉視するのは、自分の努力の足りぬ薄志弱行のやからのやることだ。幸福は自らの力で進んでこれを勝ち取るのみだ。
31 夢なき者は理想なし。理想なき者は信念なし。信念なき者は計画なし。計画なき者は実行なし。実行なき者は成果なし。成果なき者は幸福なし。ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。
32 一個人がいかに富んでいても、社会全体が貧乏であったら、その人の幸福は保証されない。その事業が個人を利するだけでなく、多数社会を利してゆくのでなければ、決して正しい商売とはいえない。
33 お金をたくさん集めて、たくさん使うことで社会を活発にし、経済の発展を促すのがよい。お金持ちはよく集めると同時に、よく使わなければならない。
34 大金持ちになるよりも、社会万民の利益をはかるために生きる方が有意義である。
35 日本では人知れず善いことをするのが上である。自分の責任はもちろん、他人の責任までも追うことが武士道の真髄とされる。
36 限りある資産を頼りにするよりも、限りない資本を活用する心掛けが肝要である。限りない資本を活用する資格とは何であるか。それは信用である。
37 数字算出の確固たる見通しと、裏づけのない事業は必ず失敗する。
38 有望な仕事があるが資本がなくて困るという人がいる。だがこれは愚痴でしかない。その仕事が真に有望で、かつその人が真に信用ある人なら資本ができぬはずがない。愚痴をこぼすような人は、よしんば資本があっても大いに為す人物ではない。
39 余はいかなる事業を起こすにあたっても、利益を本位に考えることはせぬ。この事業は起こさねばならず、かの事業は盛んにせねばならずと思えば、それを起こし、関与し、あるいはその株式を所有することにする。
40 反対者には反対者の論理がある。それを聞かないうちに、いきなりけしからん奴だと怒ってもはじまらない。問題の本質的な解決には結びつかない。
41 得意時代だからとて気を緩さず、失意の時だからとて落胆せず、常操をもって道理を踏み通すように心がけて出ることが肝要である。
42 不言実行と共に、また有言実行も大いによろしい。
43 長所を発揮するように努力すれば、短所は自然に消滅する。
44 親から子に対して孝を励めよと強ゆるのは、かえって子を不孝の子たらしむるものである。
45 私は他人が掛物とか屏風とかその他の書画骨董に金を出すと同様に、慈善事業に金を費やすことをもって一種の道楽と思うているくらいである。
46 四十、五十は洟垂れ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ。
47 論語とソロバンというかけ離れたものを一つにするという事が最も重要なのだ。
48 我も富み、人も富み、しかして国家の進歩発達をたすくる富にして、はじめて真正の富と言い得る。
49 真の富とは道徳に基づくものでなければ決して永くは続かない。
50 世の人が元気をなくしており、社会の発展が停滞している。いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、さらに大きな計画をして発展させ、世界と競争するのがよいのだ。
51 我が人生は、実業に在り。

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