モンテーニュの名言には「私が最も恐れるものこそ、恐れである」、「わたしは何を知っているだろうか?」などがあります。
代表作は『エセー』。フランスの哲学者モンテーニュ(1533~1592)の名言をご紹介します。
モンテーニュの生涯
氏名 | ミシェル・ド・モンテーニュ |
英語名 | Michel de Montaigne |
生年月日 | 1533年2月28日 |
没年月日 | 1592年9月13日 |
享年 | 59(歳) |
国籍 | フランス |
出生地 | フランス王国ペリゴール・モンテーニュ城 |
職業 | 哲学者 |
名言 | 目指す港がないような航海をしていたら、どんな風が吹いても助けにならない。 |
1533年2月28日、ミシェル・ド・モンテーニュはフランス王国ペリゴール地方のボルド近郊にあるモンテーニュ城に生まれる。
商業で蓄財した父方の先祖は曽祖父の代にモンテーニュの地を買い取り、貴族となった。父は政治に熱心でボルドーの市長を務めたこともあった。
ミシェル・ド・モンテーニュは法学を学んだ後、法官になる。1557年、24歳のモンテーニュはボルドー高等法院に移り、そこで同僚の人文主義者エティエンヌ・ド・ラ・ボエシと深い友情を結ぶ。しかし、エティエンヌは1563年に死去(享年32)。親友を亡くしたモンテーニュは深い悲しみに沈んだという。
32歳のときにモンテーニュは結婚。6人の娘が生まれたが、そのうち成人したのは一人であった。
1568年、35歳のときに父が死去、モンテーニュ城を相続した。
1570年、モンテーニュは37歳で法官を辞任して故郷に戻り、1572年から『エセー(随想録)』の執筆を始め、1580年に初版『エセー』を出版。
フランス宗教戦争(1562~1598)の時代にあって、モンテーニュ自身はローマ・カトリックの立場であったが、プロテスタントにも人脈を持ち、穏健派として両派の融和に努めた。1581年にはボルドー市長に選出され1585年まで務めている。
1592年9月13日、ミシェル・ド・モンテーニュは死去、59年の生涯を閉じた。
Wikipedia(日本語) / Wikipedia(英語)
モンテーニュの名言・格言集
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・モンテーニュの名言(1)
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・モンテーニュの名言(5)
・モンテーニュの名言(6)
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・英語の名言・格言【モンテーニュ】
モンテーニュの名言(1)
目指す港がないような航海をしていたら、どんな風が吹いても助けにならない。
心は正しい目標をなくすと、偽りの目標にはけ口を向けるものだ。
自分を持っていれば、賢者は何も失わない。
私は私の意見を述べる。
それがよい意見だからではなく、私自身の意見だからだ。
我々の苦悩の中でも最も歓迎できないのは、自分の存在を軽蔑することだ。
私が他人の言葉を引用するのは、自分をもっとうまく表現するためにすぎない。
自分を他人に貸しなさい。
しかし自分だけにしか自分を与えてはならない。
世界で最も素晴らしいことは、自立の方法を知ることである。
恋が強烈でないのは恋の自然に反しており、恋が変わりなく続くのは、強烈であるべき恋の自然に反している。
人生の価値は時間の長さではなく、その使い方で決まる。
長生きをしてもむなしい人もいる。
真の友愛においては、私は友を自分の方に引き寄せるよりも、むしろ自分を友に与える。
美貌や愛欲によって結ばれた結婚ほど、早く紛争を起こして失敗するものはない。
結婚には、一定して変ることのないしっかりとした土台と、堅実にして慎重な行動が必要である。
沸き立つような歓喜は、何の役にも立たない。
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モンテーニュの本・関連書籍
『エセー(1)』(モンテーニュ)
興の赴くまま人間について語り続けるモンテーニュの筆致には、一種いい難いあじわいがあって、われわれの心を引きつける。プルタークに傾倒し『倫理論集』を愛読した彼。自領の館に引退し、古人のひそみに倣って悠々自適の生活を送った彼。読み進むにつれて、そういう彼の人柄が読者の眼前に彷彿するにちがいない。
『モンテーニュ – 人生を旅するための7章』(宮下志朗)
「人間はだれでも、人間としての存在の完全なかたちを備えている」不寛容と狂気に覆われた一六世紀のフランスを、しなやかに生きたモンテーニュ。本を愛し、旅を愛した彼が、ふつうのことばで生涯綴りつづけた書物こそが、「エッセイ」の始まりだ。困難な時代を生きる私たちの心深くに沁み入る、『エセー』の人生哲学。
『モンテーニュ – よく生き、よく死ぬために』(保苅瑞穂)
モンテーニュの生涯をたどりながら『エセー』の重要な言葉を引用しつつ考察し、またモンテーニュの生涯に戻っていく。名文家として知られるフランス文学者が長年にわたって胸の内に秘めてきたモンテーニュへの思いを解き放ち、書き綴った名著。そのおだやかなまなざしに貫かれた筆致から、人類の偉大な遺産である巨大な書物の全容が浮かび上がる。
モンテーニュの名言・言葉の一覧
No. | モンテーニュの名言一覧 |
---|---|
1 | 目指す港がないような航海をしていたら、どんな風が吹いても助けにならない。 |
2 | 心は正しい目標をなくすと、偽りの目標にはけ口を向けるものだ。 |
3 | 自分を持っていれば、賢者は何も失わない。 |
4 | 私は私の意見を述べる。それがよい意見だからではなく、私自身の意見だからだ。 |
5 | 我々の苦悩の中でも最も歓迎できないのは、自分の存在を軽蔑することだ。 |
6 | 私が他人の言葉を引用するのは、自分をもっとうまく表現するためにすぎない。 |
7 | 自分を他人に貸しなさい。しかし自分だけにしか自分を与えてはならない。 |
8 | 世界で最も素晴らしいことは、自立の方法を知ることである。 |
9 | 恋が強烈でないのは恋の自然に反しており、恋が変わりなく続くのは、強烈であるべき恋の自然に反している。 |
10 | 人生の価値は時間の長さではなく、その使い方で決まる。長生きをしてもむなしい人もいる。 |
11 | 真の友愛においては、私は友を自分の方に引き寄せるよりも、むしろ自分を友に与える。 |
12 | 美貌や愛欲によって結ばれた結婚ほど、早く紛争を起こして失敗するものはない。結婚には、一定して変ることのないしっかりとした土台と、堅実にして慎重な行動が必要である。沸き立つような歓喜は、何の役にも立たない。 |
13 | 真実でさえ、時と方法を選ばずに用いられてよいということはない。 |
14 | 良い結婚は… 恋愛を同伴し、その性質を帯びることを拒む。むしろそれは、友愛の性質を模倣しようと務める。 |
15 | 私は旅行に出る理由を尋ねる人があると、いつもこう答えるようにしている。「私は、自分が何を避けようとするのかはよくわかるのだが、何を求めているのかはよくわからない」と。 |
16 | 恋愛で第一に大事なことは何かと聞かれたら、私は、好機をとらえることと答えるだろう。第二も同じ、第三もやはりそれだ。 |
17 | 暗記することは真に知ることではないのです。それだけなら、記憶の中に託されたものを後生大事に守っているだけなのです。 |
18 | 防備は攻撃を引き寄せ、疑念は侵害を引き寄せる。 |
19 | 苦しみを恐れる者は、その恐怖だけですでに苦しんでいる。 |
20 | 結婚は鳥かごに似ている。外にいる鳥は必死で中に入ろうとし、中にいる鳥は必死で逃げ出そうとする。 |
21 | 食べているうちに食欲は起こるものだ。 |
22 | もし私が再びこの人生を繰り返さねばならないとしたら、私の過ごしてきた生活を再び過ごしたい。過去を悔まず、未来を恐れもしないから。 |
23 | この世で一番大切なことは、どうしたら自分が自分のものになりきれるかを知ることだ。 |
24 | 羞恥心はすべての人にまことにふさわしいものである。しかし、それを克服するすべを、そしてそれを決して失わないすべを心得ておかねばならない。 |
25 | 家中の者に称賛される男は少ない。 |
26 | なにごとも逃げてはいけない。敵に対しても、もしも、こちらが逃げれば、ますます激しく攻めてくるものだ。それと同じように、人生のさまざまな苦しみも、私たちが恐れおののいているのをみると、いい気になって、更にいじめてくる。 |
27 | 物財の貧困は容易に癒されるが、魂の貧困はけっして癒されない。 |
28 | 孤独な生活の目的とは、もっと悠々と気ままに暮らすというただ一つである。 |
29 | 私は苦労はいとわぬ。辛抱もする。だが、それは自分に気の向いたことをするときだけだ。 |
30 | 愚者が賢者から学ぶことよりも、賢者が愚者から学ぶことのほうが多い。 |
31 | 子供の教育については、勉学の欲望と興味を喚起することが一番大切である。でないと結局、本を背負ったロバを養うことになる。 |
32 | 一人の人間の評価と価値は、心と意志のなかにある。そこに人間の本当の栄誉が宿るのだ。 |
33 | 美しい女にはやがて飽きがくるが、善良な女には決して飽きはこない。 |
34 | 我々人間の意見の最も普遍の性質は多種多様ということである。 |
35 | 不幸は大半が人生に対する誤った解釈のしるしである。 |
36 | 善行は、お返しができる程度なら、快く受け取られる。その限度を超えると、感謝どころか増悪が返ってくる。 |
37 | 世の中には、勝利よりももっと勝ち誇るに足る敗北があるものだ。 |
38 | いつかできることはすべて、今日でもできる。 |
39 | 恥ずかしいと思わぬことは、恥ずかしがらずに言うべきだ。 |
40 | 老いは、私達の顔よりも心に多くのシワを刻む。 |
41 | もしも人から、なぜ彼を愛したのかと問い詰められたら、「それは彼が彼であったから、私が私であったから」と答える以外には、何とも言いようがないように思う。 |
42 | 怒りは奇妙な用法を有する武器である。他のすべての武器は、人間がこれを用いるものだが、この武器はわれわれを用いる。 |
43 | すばらしき結婚は、盲目の妻と、耳の不自由な夫の間で生まれる。 |
44 | 人間はその身に降りかかることよりも、それをどう受け止めるかによって傷つくことが多い。 |
45 | 言うことと、やることは別のものである。 |
46 | 真の自由とは、自分自身に対してあらゆることをなしうるということである。 |
47 | 泣くことも一種の快楽である。 |
48 | 男が女に「いつまでも愛しつづける」と誓う前提には、「女がいつまでも愛すべき存在でありつづけるかぎり」という条件がついている。 |
49 | 法律が信用されているのは、それが公正であるからではなく、それが法であるからである。 |
50 | すぐれた記憶は弱い判断力と結びやすい。 |
51 | あらかじめ死を考えておくことは、自由を考えることである。 |
52 | 日ごとに新たなる思想があり、我々の心は天気とともに移り変わる。 |
53 | わずか一言でも下手に受け取られると、十年の功績も忘れられてしまう。 |
54 | 心にもない言葉よりも沈黙のほうが、むしろずっと社交性を損なわない。 |
55 | 私が最も恐れるものこそ、恐れである。 |
56 | 自説に固執し、夢中になることは愚鈍さの最も確かな証拠である。 |
57 | 運命は我らを幸福にも不幸にもしない。ただその種子を我らに提供するだけである。 |
58 | 我々は他人の知識によって物知りにはなれるが、賢くなるには、我々自身の知恵によるしかない。 |
59 | 最も知られることのないものこそ、最も固く信じられるものである。 |
60 | 各人はその考え次第で幸福にもなり、不幸にもなる。他人が見てそう思う人ではなく、自分でそう思う人が幸福なのである。 |
61 | 私が猫と戯れているとき、ひょっとすると猫のほうが、私を相手に遊んでいるのではないだろうか。 |
62 | わたしは何を知っているだろうか? |
63 | 世界で一番高い玉座に上っても、やはり自分の尻の上に座っていることに変わりはない。 |
64 | 強い心で立ち向かっていく人には、向こうのほうが逃げ出し、降伏するのである。だから、断じて強気でいかねばならない。 |
65 | 臆病は残酷性の母である。 |
66 | 夫婦の仲はあまりつづけて一緒にいると、冷めやすいし、くっついてばかりいると、損なわれやすい。知らない女性はどれも愛想がよく見える。 |
67 | 値の高さが、肉の味をよくする。 |
68 | 他人のために暮らすのはもうたくさんだ。せめてこのわずかな余生を、みずからのために生きようではないか。 |
69 | 誰もがその収入を公表はしない。ただ収入によって得たものを見せびらかすだけである。 |
70 | よい結婚というものが極めて少ないことは、それがいかに貴重で、偉大なものであるかという証拠である。 |
71 | 王国を統治するより、家庭を治めるほうが困難である。 |
72 | 自然はやさしい案内者である。賢明で、公正で、しかもやさしい。 |
73 | 賢者は自然の富を熱心に求める。 |