芥川龍之介の名言(4)
道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。
道徳の与えたる損害は完全なる良心の麻痺である。
人生は地獄よりも地獄的である。
人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。
民衆の愚を発見するのは必ずしも誇るに足ることではない。
が、我々自身も亦民衆であることを発見するのはともかくも誇るに足ることである。
恋愛の徴候の一つは彼女に似た顔を発見することに極度に鋭敏になることである。
天才とは僅かに我々と一歩を隔てたもののことである。
恋愛はただ性欲の詩的表現を受けたものである。
少なくても詩的表現を受けない性欲は恋愛と呼ぶに値しない。
げに人間の心こそ、無明の闇も異らね、ただ煩悩の火と燃えて、消ゆるばかりぞ命なる。
我々を走らせる軌道は、機関車にはわかっていないように我々自身にもわかっていない。
この軌道もおそらくはトンネルや鉄橋に通じていることであろう。
我々はしたいことの出来るものではない。
ただ、出来ることをするものである。
私は第三者を愛するために夫の目を盗んでいる女には、恋愛を感じないことはない。
しかし第三者を愛するために子供を顧みない女には、満身の憎悪を感じている。
創作は常に冒険である。
所詮は人力を尽した後、天命にまかせるより仕方はない。
天才の一面は明らかに醜聞を起し得る才能である。
天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心地のよい名声」を与えられることである。
おわりです。
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