芥川龍之介の名言(3)
僕等の性格は不思議にもたいてい頸(くび)すじに現れている。
あなた方のお母さんを慈しみ愛しなさい。
でもその母への愛ゆえに、自分の意志を曲げてはいけない。
そうすることが後に、あなた方のお母さんを幸せにすることなのだから。
我々はあらゆる女人の中に多少のマリアを感じるであろう。
同時に又あらゆる男子の中にも –。
いや、我々は炉に燃える火や畠の野菜や素焼きの瓶や厳畳に出来た腰かけの中にも多少のマリアを感じるであろう。
完全に自己を告白することは、何びとにも出来ることではない。
同時にまた、自己を告白せずには如何なる表現も出来るものではない。
文を作るのに欠くべからざるものは、何よりも創作的情熱である。
人生の競技場に踏みとどまりたいと思ふものは、創痍を恐れずに闘はなければならぬ。
我々に武器を執らしめるものは、いつも敵に対する恐怖である。
しかもしばしば実在しない架空の敵に対する恐怖である。
僕は芸術的良心を始め、どういう良心も持っていない。
僕の持っているのは神経だけである。
古来政治的天才とは民衆の意思を彼自身の意思とするもののように思われていた。
が、これは正反対であろう。
むしろ政治的天才とは彼自身の意思を民衆の意思とするもののことをいうのである。
最も賢い処世術は、社会的因襲を軽蔑しながら、しかも社会的因襲と矛盾せぬ生活をすることである。
自然を愛するのは、自然がわれわれを憎んだり、嫉妬しないためでもない事はない。
人生の悲劇の第一幕は、親子となったことに始まっている。
他人を弁護するよりも自己を弁護するのは困難である。
疑うものは弁護士を見よ。
正義は武器に似たものである。
武器は金を出しさえすれば、敵にも味方にも買われるであろう。
正義も理屈さえつけさえすれば、敵にも味方にも買われるものである。
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