偉人たちの言葉からヒントを得て書かれたエッセイ『名言の心』です。
今日の名言・格言
テンポがくずれ、音のバランスが狂うと、甘い音楽も不快なもの。
人の暮らしも同じなんだ。
- シェイクスピア -
(英国の劇作家、詩人 / 1564~1616) Wikipedia
名言の心
最近、普段はあまり気にすることのない騒音について考えることがありました。
わたしが持っているスニーカー。歩くと「キュッ、キュッ」と音を鳴らすものがあります。もちろんそのような機能が備わっているのではなく、靴底のゴムの質が悪いのか地面との摩擦によって音を発するようです。普段はおもしろい靴だとおもいながら、あまりに気にせずに散歩用として履いています。
先日、夜中に買い物にいかなければならない用事があり、徒歩15分程度のスーパーまでそのスニーカーを履いて行きました。もしかしたらハロウィンの楽しい飾りつけをしている家があるかもとおもい、大通りではなく住宅街を歩きました。
するとあのスニーカーの「キュッ、キュッ」の音がいつもより大きく聞こえる。静まりかえる住宅地に「キュッキュッ、キュッキュッ」鳴り響いている。おそらく20mほどの距離であれば十分聞こえる音量です。
それは虫の鳴き声のようにやさしい音色ではなく、すこし不快に感じるであろう音。スニーカーへの体重の乗せ方や歩き方を変えながら、その音を小さくしようと試みましたが効果もありません。
ようやくスーパーが近づき、ハロウィンの飾りつけをみつける余裕もないまま住宅街から大通りに出たとき、これまでうるさかった「キュッ、キュッ」の音が聞こえなくなった。「あれっ」とおもいましたが、目の前を走る車の騒音にかき消されてしまったようです。
こんなにも車の発する音は大きいのかとびっくりし、この騒音の中でわたしたちは生活していることを実感しました。
普段、それほど騒音を意識しないのは、無意識のなかで不快感を起こさせる音を聞かないように努力しているからでしょう。車がスニーカーの音をかき消したように、わたしたちも車の騒音を意識から消している。でも、その無意識の努力が知らぬ間に疲れを生じさせてしまう。
今日の名言では、音楽でも生活でもテンポやバランスの崩れが不快感を引き起こすと。長い年月をかけて自然のテンポに適応して生きてきたわたしたち人間にとって、その心地よいテンポとは、きっとゆったりと深く落ちついたもの。
いま、わたしたちは騒音にかこまれ、常に時間に追われるような生活を続けています。神経をすり減らしてしまうのは当然のことでしょう。ひとときでも一人の静かな時間をもったり、自然に触れるということは、心をおだやかにし、心の活力を取り戻すためにも必要なことなのでしょう。
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