人生の道しるべ – 連載コラム「猫の名言」



連載コラム「猫の名言」

日本初のプロ民族音楽演奏家でもあり、現在「福岡猫の会」で病気の保護猫たちの看病を続けられている若林忠宏氏による連載コラム。猫や人間に関する世界の名言を紹介しながら、猫たちとの生活のなかで筆者が体験したことや気づかされたことをつづります。(「猫の名言」TOPページはこちら
 


Vol. 3 「人生の道しるべ」

 
もし道に迷ったら、一番良い方法は猫について行くことだ。猫は道に迷わない。

Charles Monroe Schulz (チャールズ・M・シュルツ 米漫画家 / 1922~2000)
 

 スヌーピーの作者ですから、圧倒的な「犬派」と思えば、なんと猫のことも良くご存知なシュルツさんだったのですね。確かに猫は道に迷いません。人生(猫生涯)も迷わないかも知れません。いや、正確に言うと、「揺れるけれどブレない」感じでしょうか。

 残念ながら、人間はどんなに願ってもどんなに精進しても、遥かに徳の高い猫には生まれ変われないという話を聞き、私は大層気落ちしました。なぜならば、今生、自他ともに認める「猫的な人間」で、言わば「社会性に疎い」「変わり者」的に生きて来ましたので、是非来世は心置きなく猫でありたいと思っていたからです。

 その「猫的、猫性具合」に関しては、我ながらほとほと呆れたことがあります。しかも、50歳代半ばになってからのことでした。

 とある大学キャンパス内で行われたイベントに演奏者で参加しつつも、主催者と懇意だったので、お偉いさんの奥様を校門までお迎えし会場迄の道案内を頼まれた時です。前夜に降った雪が大分溶けていたころでした。
 ところがその奥様は、振り返ると遥か後方にいらっしゃるので、しばしお待ちすること何回か。やっと気づいたのは、ぬかるんだ地面にお洒落なハイヒールがちょくちょくめり込んでとても歩きにくそうだったのです。

 と、言うことは、なんと私は、猫道を案内していたのでした。
 自分がたどり着いた時は、門衛さんに「あの建物だよ」と指差されだけで、教室の脇や花壇の隅を通って、勝手に最短距離で来たのでした。いい歳こいてますから、考えれば分かりそうなこと。流石に自分でも、その「猫性」のひどさ(優秀さ?)、しかし人間としての問題点を痛感したのでした。思い出してみれば、子供のころ、無断で他人の家(知人や親戚でしたが)の裏庭を通って、良く叱られていました。「垣根が痛む!」と。

 
 野良で一年のおつきあい。我が家玄関先で三食食べ、冬は玄関先に設えたホット座布団入りの段ボールを寝床にしていた「マイケル」。ある日怪我をして歩くのもやっとだったので保護してからは、大切な息子のひとりになりました。

 道無き道を忍者のように歩き、何時も神出鬼没。たまに珍しく道を歩く姿は、威風堂々の野良の貫禄。西部劇映画のラストシーンのように素敵でした。家に入ればすっかり可愛らしくなった彼が居るのに。道ばたや垣根の向こうに彼の姿が無いことに、少し寂しく思うことが今でもあります。

 そんなマイケルに、日頃の疑問を訊いたことがあります。
 「ねえ!なんで猫は犬みたいに道だけを歩かないのかい?」と。
 迷い犬はみな、道路を懸命に臭いを探しながら歩いています。
 するとマイケルは、

 「道? なんだそりゃあ?」「あの人間や車が歩く、草木も生えず池も無い長く続く無駄な空き地のことか?」
 
 犬を引き合いに出したからか、少し不機嫌そうなマイケルでした。

 「道ってもんを猫に訊くってなら、そりゃあ今歩いて来た道が道に決まってらぁな」とでも言いそうなマイケルですが、その実は、野良の頃から人間の気持ちを良く汲み取ってくれる、ちょっとシャイな心優しい猫です。

 世界的著名人シュルツさんに物申すならば、道に迷っても猫には訊かない方が良いかも知れません。猫は、出来合いの「道」やその「道順」などは眼中に無いのですから。その代わり、猫は地理をしっかり把握しているのです。だから何処をどう歩こうとも、目的にたどり着ける。生まれ変わって離れた場所で生まれても帰って来ます。頭の中に、猫の神様の情報を受信する「ナビ」でも入っているかのようです。

 思いがけず同じ道を一緒に歩くこととなったマイケルのためにも、自分の道を信じて頑張って歩き続けて行かねばなりません。時には立ち止まり良く考え。時には一旦戻ってみる勇気も持ちながら。 

 
 最後までお読みくださってありがとうございます。

 
 民族音楽演奏家/福岡猫の会代表: 若林忠宏



 
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「福岡猫の会」
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